ブログ

ブログ

2024/09/15
HPVワクチン
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)のキャッチアップ接種の期限が迫っておりますが、

はたして打つべきか???

これは最終的にはコロナワクチンの時と同じで、個人個人での判断になります。日本では定期接種化されましたから、もう打つべきだという流れになっているのは確かです。

HPVワクチンはかつていろいろと問題が言われましたが、皆様が良く知る、いわゆる名古屋スタディと呼ばれる調査においては、

1   月経不順
2   月経量の異常
3   関節やからだが痛む 
4   ひどく頭が痛い
5   身体がだるい 
6   すぐ疲れる
7   集中できない
8   視野異常(暗くなる・狭くなるなど)
9   光を異常にまぶしく感じる    
10 視力が急に低下した
11 めまい
12 足が冷たい 
13 なかなか眠れない
14 異常に長く寝てしまう   
15 皮膚が荒れてきた(湿疹・イボなど) 
16 過呼吸 
17 物覚えが悪くなった 
18 簡単な計算ができなくなった 
19 簡単な漢字が思い出せなくなった  
20 身体が自分の意思に反して動く 
21 普通に歩けなくなった
22 杖や車椅子が必要になった  
23 突然力が抜ける   
24 手足 に力が入らない    

無作為に15-21歳の女性30793人にアンケートを行って、そのうち69.5%の方がワクチンを接種、30.5%の方がワクチンを未接種という集団の中で、上の24項目についてどんな割合であったかを調査したものであるが、統計学的にはHPVワクチンの接種の有無と24項目の症状との間に有意な関連性はないということでした。

ではこうした症状が起きないかというとそういうわけではありません。しかし、ワクチンと関連が強く示唆されるものではないといわれていますので、普通のほかのワクチンと同等のリスクはあるが、ことさらHPVワクチンだけリスクが高いというわけではありません。

にもかかわらず、国民全体で怖がって若い人たちの中での接種がとん挫した結果、近年の子宮頸がんの罹患率が他のHPVワクチン接種が実施されている国々よりも高いといわれています。

ワクチンは怖い、一生を棒に振ることになりかねない、というワクチン悲観論者の人たちに世の中は無理強いは致しません。ワクチンを打たない方は、その代わりに、ワクチンを打たなかったことに伴う、子宮頸がんになるかもしれない、かかったら治らず命を落とすかもしれない、といったリスクを容認し、ワクチンの副反応を回避するという考え方です。間違いではありません。尊重されるべき考え方です。

ただ、若くして子宮頸がんになってしまうと、たとえがんを克服しても、手術のために子宮や卵巣がなくなって、生涯子供を産むことができないという苦しみに耐えないといけなくなります。それはそれできわめて不幸です。

非常に難しい選択ですね、これって。子宮頚がんにはなりたくない。でもワクチンで車いす生活なんかになったら怖い。。。

最終的には人それぞれが良く考えて決めるしかないと思いますが、わたしは打つべきだと思います。ワクチン接種で車いす生活になったり記憶力低下が起こったり、動けなくなる確率は極めて低いです。それよりもワクチンを打たずにヒトパピローマウイルスに感染し、その後子宮頸がんになる可能性のほうが高いです。あのときワクチンを打っておけば、子宮頸がんで苦しまずに済んだかも?とならないように子供に打たせると思います。日本以外の世界ではそんなことで悩まずどんどんワクチン接種は接種されております。そうした世界の潮流を見ても、HPVワクチンを悪者扱いにする必要はないのではないでしょうか?他方ワクチンを打たない場合に、自分の娘のワクチンによる不幸な副反応は無事回避できるかもしれません、しかしHPV感染をふせぎ切るのはなかなか難しい。夫婦の営みにおいて、もしもパートナーがHPVを持っていれば、嫌でも感染しまうかもしれません。一生結婚もせず、子供も設けないなんてことは、HPV感染を回避するためにとるべき行動ではありませんし。であれば、自分の子供には打たせたい。と私は考えるのです。

ワクチンを打っても、子宮頸がんの検診はうけないと予防や早期治療介入はできないので、ワクチンと検診はセットであることも理解が必要です。

ワクチンを打たない、打てない方は、それはそれでいいんです。そうした考え方も尊重されるべきです、統計学的に関連はないといくら言われても、実際にワクチンを打った方におかしな症状が出たといってらっしゃるのですから、関連はないよと言われたとはいえ、やはり怖いと感じるのは当然です。そういう方は、打った人以上に検診についての意識を高め、検診を積極的に受ければ、たとえ感染して、それが原因で子宮頸がんになったとしても、命まではとられずに済む確率を最大限高めることができるはずです。

悩ましいとは思いますが、キャッチアップの終了が迫っておりますので、もう先延ばしにはせず、決断する時なのだと思います。もちろんキャッチアップ期間が終わっても、お金を出せば接種はできますので、誤解なさらないように。