ブログ

ブログ

2022/04/20
鼻づまり、咳が長引く風邪をよくお見かけします。

最近かかられるお子さんは、発熱でコロナかもと心配で来られるケースが多いですが、新学期が始まり、あるいは新たに保育園や幼稚園に通われるお子さんが園や学校で拾ってきて風邪になり、長引くケースをよく見かけます。

その中には中耳炎や副鼻腔炎に発展するケースも決して少なくない印象です。

鼻が出続けるカゼは長引くと鼻や喉とつながっている副鼻腔というお顔の奥にある細かいお部屋や、中耳という音を感覚器に伝えるための伝導路が存在するお部屋の風通しがわるくなり、いつもならちょっとしたばい菌の襲来は、通り道のお部屋から出て行ってくれるので問題ないですが、鼻が詰まっていると、お部屋の出入り口が詰まってしまうので、お部屋に入ってきたばい菌が長い間居座ってしまい、いわゆる蓄膿(副鼻腔炎)や中耳炎を引き起こします。

かぜが一旦良くなりかけてまた熱が出てくるケースや、たんがらみの咳が1週間以上続き、黄色い鼻が出るような時は、急性副鼻腔炎を併発していたり、中耳炎になっていたりすることがあります。

通常カゼのほとんどがウイルスが原因ですので、いくら抗菌剤をつかってもウイルスを撃退することはできません。ちょうど新型コロナウイルスやインフルエンザに抗菌剤が効かないことを想像していただければわかるかと思います。ですので、カゼの方には抗菌剤は必ずしも出しません。小さなお子さんが抗菌剤を投与されて、下痢になったり、あるいは薬疹が出たりすることもありますし、小さな頃からいわゆる薬剤耐性菌を体の中に保菌するリスクも高めますので、必要ない時は出さないことにしています。

(薬剤耐性菌は体が弱った時に悪さを働きます。抗生物質が効かない・・・。これはかなり大変なことです。漫然と抗菌剤を出し続けることはなるべく慎もうと思っております。むかしはなんでもかぜは抗生剤でした。その根拠はウイルス感染症に細菌感染が混合することがおおいので、細菌の混合感染による病気の遷延化や合併症併発を防ぐために処方していました。ですが抗菌剤を使わなくてもカゼは治ります。抗菌剤を使っても早く治りません。喉が痛いと細菌性扁桃炎だといって抗菌剤を無性に欲しがりますが、それはかつて抗生剤漬けだった生い立ちがそのようにさせるのだと思います。わたしも喉が痛いと意味なく抗菌剤無性にほしい派ですが、最近は我慢しています。意味がないはずなので。(もちろん溶連菌は抗生剤が入りますが。)コロナの人の喉の痛みは自然に治っています。でも早く治したい、こじらせたくない、この気持ちが抗菌剤ほしさを掻き立てる。カゼは自然に治るから特効薬はいらないとはいえ、もしも風が早く治る特効薬があったら、こんなことにはならないでしょう。すみません脱線しました。。。)

抗菌剤を使わなくても治るのが普通の風邪です。

しかし副鼻腔炎や中耳炎はカゼとは違い細菌感染が原因であることが主ですので、これらを経過や診察から疑ったり確信する時は抗菌剤を処方しております。

言葉が喋れない小さなお子さんは中耳炎の症状が伝えられない。耳がボーンとするとか、耳が痛いとか、聞こえづらいとか分かりません。また、蓄膿特有の顔や頭の痛みなども伝えられません。ですから、お子さんに聞いてもわかりませんので、長引く鼻水や咳、あるいは一旦改善したのにまた発熱するというケースは副鼻腔炎や中耳炎が隠れているかもしれませんので注意が必要です。

中耳炎や副鼻腔炎を予防するためには鼻をかむことが重要です。中耳や副鼻腔の風通しを良くしておくことが重要です。さらには風邪をひかないことが重要です。もちろんアレルギー性鼻炎もこじらせれば中耳炎や副鼻腔炎の原因になるので放置は良くないと思います。

鼻がかめるお子さんは、片方の鼻を押さえて片方ずつそーっと鼻をかみましょう。ひどく強くかみすぎるのは逆に耳の中へばい菌を押し込めかねませんので、お勧めしません。

それができないお子さんは、以前も書き込みましたが、やはり鼻を吸い取る機械式か電動式の吸引器でこまめに吸い取ってあげることが良いと思います。最近はネット通販でも簡単に購入できる時代ですので、お子さんのおられるご家庭では是非お買い求めいただき、強い吸引圧で吸う必要はありませんので、気づいたら鼻吸引程度で結構ですので、お鼻がでる風邪の時は吸うようになさると良いと存じます。

鼻風邪(アレルギー性鼻炎もですが)をこじらせないように鼻をかんだり吸ったりすることは大切だと思いますので、鼻がかめないお子さんの鼻かぜへのケアも考えてみましょう。

鼻を吸ってもらうとスッキリする・・・鼻がつまらないことは素晴らしいことだ・・・鼻が詰まったらかむと気持ちいい・・・鼻がつまったらかみたくなる。・・・自分で鼻がかめるようになる、という好循環を生み出す可能性もあると思います。

我が子は小さなうちから吸引器を買って吸ってました。(結構なかなか吸えないこともあっていらいらして強い圧で無理やりすったりして、ハッと気づいて我に返ることもありましたが)そのうちに自分で吸引器ではなを吸うようになりました。その後鼻をかむことを教えると、介助が必要なことも多いですが、鼻が自分でかめるようになりました。鼻をすすることはすくなくなりました。これはやっぱり鼻吸引のおかげかもしれません。反面副院長は鼻がかめない人ですすってます。これダメですね。

まついファミリアクリニック