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2022/03/24
小児コロナワクチンを接種するメリットデメリット
5歳から11歳の小児へのコロナワクチンを当院でも週末より接種開始しますが、簡単にメリットデメリットをまとめて羅列してみました。
最終的な判断はご両親、可能ならばご本人によりますので、接種直前で悩まれて困られる場合は、キャンセル可能ですので、ワクチンのメリットデメリットを十分ご理解の上、接種していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
メリット
- 新型コロナウイルスに感染した際に重症化するリスクを下げることができる。(究極的には死亡リスクを減らせる。)
- オミクロン株に対する効果は場合によっては低く見積もられているが(ワクチンを打っても感染しうるが)、今後さらに別の変異株が出てきて毒性が強かった場合に重症化リスクを減らせる可能性がある。
- 新型コロナウイルスに感染しにくくなる。
- 家庭内感染リスクが軽減する。(子供が発症起点の家庭内クラスターは今問題になっている。)
- 学校生活など子どもの健康な発育を妨げるコロナ感染防護を軽減しうる。(安心して習い事ができるかもしれない)
- 熱性けいれんなどコロナ感染に伴う辛い合併症を回避しうる。
- 新型コロナウイルスに感染したことによる長期的なデメリット(例えば、発癌リスクとか、成長障害とか、長期的な肺障害など、未知のリスク)が万一あっても、感染リスクを少しでも減らせるならば、ワクチン接種のメリットがある。
- 社会的な感染爆発を抑え込むために今のところ人類が取りうる方策である。
デメリット
- ワクチンの長期的な影響については不明であり、安全であるとは必ずしもいいきれない。ただし、現在考えられうる長期的な重大な不利益として発癌リスクであったり、遺伝子変異を来す可能性については、mRNAの性質上考えられない。
- 過剰な副反応に苦労する可能性がある。ただ、12歳以上の副反応と比して変わらないか、むしろ軽いとの報告がある。
- 不可逆的な不利益、致命的な不利益を被る可能性がある。しかし、そのリスクは米国での関連死ゼロ、心筋炎は全て軽症で全例回復している、などのデータからすれば、極めて低い。
- コロナに感染した際に、小児 COVID-19 関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)などの、コロナ関連の重病を患うリスクが高まる。
感染が怖いから習い事やアクティビティを回避しているならば、接種して感染リスクを下げた上で前向きに参加できるようにすることもありかと思います。運動などは幼稚園や小学校に任せておけば良いのかもしれないですが、学外のクラブなどへの参加も、そのタイミングでやらせてあげないと、たとえ病気に罹らなくても、チャンスを逃します。そうならないよう、その子が平時ならばできることを、そのままやらせてあげられるように接種するのも、間違いではないと思います。おじいちゃんおばあちゃんと同居なので、家庭内での感染リスクを下げるために、接種するこども、間違いではないと思います。また、接種せず、自然に感染して免疫を獲得することも、間違いではないとも思います。ワクチンの副反応や長期的な影響はやはりわかりませんから。(たぶんそんなに心配しなくていいと思いますが。)その子の置かれている状況によって変わってくると思いますので、1番良いのがどちらなのかを考えてみてください。
正解はありません。
当院は接種を押し付けませんが、逆に接種することにも反対しません。接種を望むお子様ご家族の権利を阻害したりしません。
まついファミリアクリニック