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2021/10/18
犬にまれたら?

犬にかまれたらどうしますか?

イヌなど獣の噛み傷は傷の外観に比して内部深くに牙が刺さっていたり、複雑に内部が損傷していたりするので、感染のリスクが高く放置は危険です。

また、狂犬病などが心配なこともあります。

最近犬にかまれた方が複数来院されましたので、イヌにかまれたときにどうするか、どんな流れになるのかをまとめてみました。

  1. まず、傷を確認し、可能であれば流水でよく洗浄する。出血がひどいときはこの限りではありません。すぐに病院へ。
  2. 同時に、飼い主の方に狂犬病ワクチンを打っているかどうかを確認します。飼い主の方は保健所にただちに連絡する義務があります。同時にその犬の狂犬病予防接種の接種証明の取得と獣医師による狂犬病の検診を受ける必要があります。
  3. 狂犬病ワクチンを打っている場合はまず人間に狂犬病が移る可能性はないと考えます。さらには獣医師の検診結果が問題なければまず大丈夫です。
  4. 狂犬病ワクチン未接種のイヌであった場合は、狂犬病の暴露後予防接種を受けることも考えなくてはなりません。
  5. 以上を踏まえつつ、イヌにかまれたら当日のうちには病院を受診してください。
  6. イヌなど獣の噛み傷は複雑です。表面がが高いので小さな噛み傷のみでも、特にんだ後に犬が引っ張ったりしてかみちぎるような動作が入ったときには皮膚の下はより複雑な傷になっています。
  7. 傷を生理食塩水などで十分に洗浄し、除染します。時に局所麻酔を打って中を十分に洗う必要がある場合もあります。
  8. 洗浄が済んだら、大きな出血がなく神経損傷などがなければ、縫合と行きたいところですが、イヌのんだ傷は化膿しやすいので、原則縫合しません。ただ、傷があまりにも大きかったり止血が困難だったりする場合は縫合することもあります。また、お顔など整容性を損なう傷は縫合することが多いです。
  9. 処置が終わってから破傷風の予防を行う必要が出てくることがあります。5−10年以内に破傷風の予防接種を受けていない方には、暴露後予防接種として破傷風トキソイドを筋肉注射しておきます。また、汚染があまりにもひどい場合には破傷風ワクチン接種が十分でないケースでは破傷風菌のガンマグロブリンを直ちに注射することがあります。
  10. 狂犬病が心配されるケースでは大人子ども問わず狂犬病ワクチンも接種し、場合によっては破傷風同様抗狂犬病免疫グロブリンが必要なこともあります。狂犬病は大変怖い病気で、発症すれば100%に近い確率で致命的となるといわれています。ただ、日本では1957年以降、国内のイヌにかまれたことが原因で狂犬病に掛かった方は日本国内において一人もおりません。よって犬にかまれた後に狂犬病ワクチンの暴露後緊急接種が必ずしも必要ないかもしれません。(経験的に犬にかまれた方でその後狂犬病を発症した方を私は見たことが幸いありません。)狂犬病ワクチンを打つとなると、受傷当日(あるいは翌日)、3日後、7日後、14日後、30日後、90日後の6回接種が必要です。犬にかまれた場合は保険が効きます。副反応として熱などがありますが、それは一般的な予防接種と同じ程度です。狂犬病ワクチン接種についてはこれらを踏まえて医師と患者とで相談し接種の是非を決定してください。(狂犬病の免疫グロブリン製剤は国内で手に入れることはまず不可能です。)
  11. 傷が化膿するリスクが高いので、処置後に抗菌剤を処方あるいは投与されます。
  12. 頻繁に処置に通います。縫合した場合は1週間ぐらいの地に抜歯となります。

以上、イヌにかまれたときにどうするか、どんな処置になるのかについて、お話ししました。

もしイヌにかまれて困ったら、当院へお気軽にご相談下さい。

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まついファミリクリニック
外科・小児外科・小児科・内科
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