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2020/09/12
ロタウイルスワクチンは10月から定期接種化されます。

ロタウイルスワクチンが10月から定期接種化されます。ロタウイルスは6か月から2歳までに罹患すると重症化することがある胃腸炎を引き起こすウイルスです。海外ではすでに定期接種となっていましたが、日本でも今回から定期扱いとなりました。WHOも「全ての乳児へのロタウイルスワクチン接種と生後14週6日までの初回接種」を推奨してます。

ロタウイルスワクチンの副作用に稀ながら腸重積があります。腸の一部がそれに連続して隣接する腸管に入り込んで嵌入し、腸管に血流障害をきたしたり、腸閉塞(腸が折り重なって入り込んだ結果、食べ物の通るスペースがなくなってしまい、食べ物が詰まる状態)を来し、腸管壊死や穿孔をきたすと腹膜炎などの重篤な状態に発展しかねない疾患です。ロタウイルスワクチンと関連がなくても乳幼児には発生しやすいですが、ロタウイルスワクチンを接種するお子さんに発症するリスクが高まるといわれており、リスクの回避という点においては生後早期に接種したほうがリスクが少ない可能性が高いといわれています。それでも接種後1−3週間のうちに腸重積をきたすことも稀ながらあるといわれますので、接種後は念のため注意深い観察が必要です。

しかしロタウイルスワクチンを接種しないことによるロタウイルス性の胃腸炎は致死的になることもあるため、腸重積などの副作用のデメリットよりもベネフィットが圧倒的に勝るということで世界的に定期で接種されています。

ロタリックス(1価)と、ロタテック(5価)の2種類のワクチンがあり、いずれも飲むタイプのワクチンになります。どちらを接種しても3歳過ぎまでは十分な免疫が獲得できるといわれています。

両者には大きな差はありません。それでも、悩んでいる方に対して、あえていえばですが、ロタリックスは2回で免疫が獲得できること、ヒトロタウイルスから作られていること、腸重積になるリスクが若干低い可能性があるなどです、ロタテックは5価ワクチンなので多くのタイプに対して直接的に免疫を獲得しうること(ロタリックスは1価でもほかのタイプに対して交叉免疫(ほかのタイプもカバーする)を持っているので問題ありません。)3回接種が完了するとロタリックスよりも若干効果が高い可能性があること、7歳まで免疫能が保たれることがあること、などがいえるかなあと。でもどちらでも差し支えないです。

定期接種の対象は2020年8月1日(土)以降に生まれた0歳児となっております。詳しくは厚生労働省のロタウイルスワクチンに関する案内をお読みください。8月生まれの方は厚生労働省のホームページを一度ご覧ください。

ちなみにわが子ですが、特に考えたわけでもなくたまたま5価ワクチンの3回接種でした。(指定期限内にはもちろん接種完了しました。)しかし幸いなことに腸重積をはじめ副作用はありませんでした。そしてロタウイルスによる胃腸風邪にもなりませんでした。(ほかの胃腸風邪にはやられました。)一方、最近の当院の傾向は1価ワクチンの2回接種のほうが多いです。2回で済みますから楽なのと任意接種時は費用も少しだけ安かったのが患者さん受けが良かったかも。

まあ、どちらにしてもとにかく正しいスケジュールで定期で確実に接種することが重要ですよね。

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まついファミリクリニック
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