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2024/07/23
最近のはやり病

最近のはやりやまい

 

 

暑い季節になり体調を崩しやすいところに、今年も何やら色々感染症が蔓延しております。

 

ますは皆さんご存知の通り手足口病。

 

今年はとにかく多いです。熱があるお子さん、そうでないお子さんも、手足にポツポツと赤い発疹がたくさんあり、喉に口内炎のような小さな粘膜潰瘍があり、手足口病とすぐにわかるほど。6月から増加しており、まだまだ収束が見えません。ちょうど夏休みに入ったので、これから減ってくるかもしれませんが、1回かかったら2度とかからないということもないようでして、それはなぜかというと、この病気はコクサッキーウイルスA6A16A10、エンテロウイルス71などによって起こるため、2−3回かかる場合があるのです。小学生以上では知らないうちにかかったりしてなんらかの形で免疫を持っているので感染しても軽微で終わったり、症状もないことが普通です。ですが昨今のコロナ禍で我々大人もかなり感染症に弱くなっていたり、感染する機会がなく感染症に対して弱くなっているお子さんが多かったりするので、まだまだ油断ができません。口や喉の痛みが強いと、ご飯が食べられないこともあってなかなか辛い場合もあります。口の中や喉が痛い時は酸っぱいものや塩辛いものは避けて、喉越しが良い冷たい食べ物や飲み物で凌ぐのが良いです。手足の発心は何もしなくても自然に消えてきれいになります。まれに後々に爪が剥がれてしまうお子さんもいますが、それもきれいに治ります。

 

それから最近またまた新型コロナが増殖中です。

 

6月までは大したことなかったのですが、56月に沖縄県で増えていたらしいですが、ついに本州にも広がりつつあるみたいでして、患者数が増加しています。最近はやはり5類化したために、単なる風邪であるという認識になっています。ですが、社会的には5日間の自宅療養などで休まざるを得ず、5類とはいえ、他の感染症とはまだまだ明らかに違う病気となっています。ワクチンを打ったり既に感染したことがある人が多くなってきていますから、症状も本当に軽微であったり軽い場合もあるので、潜在的な患者数はすごくたくさんいる可能性があります。人が密集する場所ではマスクをしたり、手洗いは毎日確実に行う感染対策が必要だと思います。また後遺症が問題となる病気ですので、そのリスクを下げるためにコロナ治療薬があるのですが、これも今年度からは国の補助がなくなったため、保険は効きますが5日分の治療薬の費用が2万円前後するという極めて不都合な事態となっております。しかし後遺症リスクを抑えるという点では優れた薬でありますので、症状が強かったり、高血圧などの併存疾患がある方は内服すべきです。

 

もう一つ、マイコプラズマ肺炎

 

コロナもインフルもマイナスなのに、熱と咳が酷くて治らないというケースにマイコプラズマ肺炎が原因である場合があります。呼吸音は問題ないことが多く肺雑音もないのに高熱と空咳が日とい場合にマイコプラズマである場合があります。そんなときにコロナやインフルエンザのように良い抗原検査キットがあるわけではありませんので、診察といろんな検査を組み合わせて診断していく必要があります。PCR検査(当院は多項目感染症同時PCR検査 SpotFireを実施しています。)、血液検査、胸部レントゲン検査、などのいずれかを組み合わせることで診断することができます。肺に孤立性に結節陰影がいくつかある場合などはマイコプラズマを疑うことになります。マイコプラズマはウイルスではなく、もちろん数週間で自然治癒することもありますが、なかなか治らないことや重症化することのありますので、抗生剤を飲む必要があります。抗生剤と言ってもなんでも効くわけでわなく、マクロライド系抗生物質が第一選択であり、クラリスロマイシンやアジスロマイシンを投与します。最近はこれらマクロライド系抗生剤への耐性株もいるため、ニューキノロンやミノマイシンといった薬が必要となる場合もあります。

 

それ以外にも原因不明の発熱もあったりします。小さなお子さんでは川崎病とか、あるいは尿路感染症とか、大人では風邪がこじれて酷い化膿性扁桃炎や心内膜炎、心筋炎、敗血症、あるいはフルニエ症候群のような壊疽性筋膜炎、お歳の方では、誤嚥性肺炎、腎盂腎炎、肺炎球菌による肺炎、急性胆嚢炎などなど、いろいろです。

 

昨今の流行病を診察する中での教訓は、

1 新型コロナが流行しているので手洗いやマスクなどの感染対策を今一度。

2 コロナやインフルエンザを自己検査して陰性だからと言って放置していて治らず、実はマイコプラズマなどの他の病気である可能性がある。

3 風邪は万病のもと。こじらせると、大変な重症疾患につながることもあるので、安易に自己判断しないこと。

4 1回の診察で診断がつく場合もあるが、検査で陽性であっても他の病気が合併していたりしていて非常に複雑化しているので、2−3回の診察の機会がなければ分からないことも多いので、医師側が再度受診を促した際に、患者さんは状態が良くても必ず再診いただきたい。(よくなったら来なくていいですか?と言われる患者さんがいらっしゃいますが、よくなったかどうかは、患者さんの状態やその保護者の方の最近の観察により得られた情報と、医者の診察によって得られた情報、すべてをそろえないと判断できるものではないはずです。また、医者側も患者さんのいうことをよくよく聞かないといけません。そこにヒントが隠れていることがあって自分も反省させられることがあったりします。勝手な自己判断は、患者さん側も、医者側も慎むべきで、面倒でももう一回診察に来ていただき話し合いましょう。)

 

と言った感じのことをみなさまにはお伝えすべきかなあと思う、今日この頃です。