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2023/11/08
エアパーテーション


エアパーテーションを発熱外来に導入しました。





エアパーテーションはHEPAフィルターで浄化した空気を一方から噴き出し、他方では汚染した空気を回収してHPAフィルターで浄化することで、2枚のエアパーテーションの間で発生したエアロゾルなどを回収し室内への拡散を抑制する装置です。よく理化学実験の時にクリーンベンチが登場するのをご存知の方もいらっしゃると思います。クリーンベンチはその内側には絶えずHEPAフィルターで浄化されたきれいな空気が満たされ、汚染した空気を外に漏らすことなく回収してHEPAフィルターを通してから廃棄するようになっており、特に細菌やウイルスなどを扱う研究室などでは外部に漏らせば実験している人が感染して危険ですから、クリーンベンチ内で実験するわけです。あるいは細菌感染や異物の混入が実験結果に影響があるようなシーンでは少しのチリやほこりや細菌、ウイルスも許されないので、クリーンベンチが必須です。エアパーテーションは簡単に言えば、ちょうどその原理を、診察室などの空間浄化に応用したものです。




5類になったとはいえコロナはやはり脅威。患者さん一人一人に専用の診察室を設けるようなことができれば良いですが、なかなかそれは難しいです。かといって、病院に来たのにコロナになっちゃったとかインフルになっちゃったとかはできるだけ回避したい。インフルの診察の後に普通の風邪の方が診察を受けてインフルにも罹ってしまったということはできれば避けたい。その理想をかなえるのに一役買う機械であるといえます。本年58日以降はコロナは5類化し、街頭でもマスクをしている方は減り、コロナ前にだいぶ戻りましたが、コロナがなくなったわけではなく、他の感染症も依然として存在し、コロナ禍でマスク生活や外出控えにより免疫が下がっている我々にとっては、風邪のウイルスはどれも脅威です。そんな中で5類化したからといって、普通に診察室で診療をされているシーンもあるかもしれませんが、コロナに罹っても子供であってもご老人であっても安全安心な薬もあるし、もうヘッチャラだよ、という状況になるまでは、風邪の方とそうでない方の診察は空間的にできるだけ分離すべきであり、また、風邪の方もみなさんがコロナであるわけではありませんから、そうした方に病院で極力うつさない努力は、今後も必要かと思っております。従いまして今回県の補助金をいただき高価なエアパーテーションを導入した次第です。エアパーテーションがあるところであれば、コロナやインフルエンザの検査を行っても短時間に浄化でき、患者さんへの感染リスクを極力減らせますので、皆様の安心につながればと思っております。診察中にエアパーテーションの音がうるさくてお子様を怖がらせたりしてご迷惑をかけたりすることもあるかとおもいますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。