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2023/12/17
いろんな風邪が流行る今日このごろ

いろんな風邪が流行ってます。


12月もあとわずか。今年は夏場からコロナが猛威をふるい、秋からインフルエンザが大流行し、感染症の動向も、とても弊年並みとはいえない状況がつづいてます。


インフルエンザばまだまだ猛威をふるってます。新型コロナも少しずつですが、年末に向けて増えつつあります。XBB対応ワクチンを打った人がかかりつつあります。


それ以外に、アデノウイルス、溶連菌といった病原体も10月以降増えていて、アデノウイルスに関しては抗原検査キットが枯渇して全く手に入りません。


インフルエンザにかかったばかりで、翌々週にはまた熱が出て原因がわがわからないお子さん、インフルエンザに溶連菌やアデノウイルスを合併して高熱が続くお子さん、本当にキリがなく訳がわからない状況になってしまうのが、近頃の風邪の実態です。


最近ビオメリュー スポットファイア Rパネルという、多項目の感染症を一気にPCRで網羅的に調べてしまう機械を導入しました。


PCRなので感染初期でも、発熱してから6時間も経たないお子様や大人の方でもインフルエンザを感知でき、よくよく調べると、インフルエンザ以外にライノウイルスやエンテロウイルス、ヒトメタニューモウイルスやRSウイルスに同時感染していたり、インフルエンザではなく、アデノウイルスと季節性コロナウイルス、パラインフルエンザウイルスに同時に感染していたり、といろいれ複雑な状況に患者さまが陥っていることがわかるようなりました。


もちろん、インフルエンザや溶連菌、新型コロナ以外は、風邪にはらしき特効薬がないので、調べたからなんでも問題が解決するわけではなく、インフルエンザ、溶連菌、新型コロナは積極的に検査して治療薬を投与し、思わぬ合併症や後遺症を予防し、それ以外は風邪として、投薬しつつ経過観察すればいいわけです。しかし、病気に実際にかかっている人は、インフルエンザ、溶連菌、新型コロナでは絶対にないこと以外に、いったいなぜ熱が出るのかを知りたい、わかれば、安心することができます。そうしたニーズに応えてくれるのが、スポットファイアだと思い、患者さんにご案内して検査しています。


他方、風邪の方になんでもかんでもスポットファイアを使うのもナンセンス。周りにインフルエンザの方ばかりがいるのなら、抗原検査(当院は富士フイルムのドライケム・イムノAgという、単なる抗原検査キットよりも、発症早期の患者さんでも感知する性能が高いキットを使ってます)を行えばよいですし、あるいはnodocaという、喉の奥を専用カメラで撮影し、その映像と問診内容から、50万件分のデータとの比較にてAIがインフルエンザ濾胞というインフルエンザ感染初期にしか出ない所見を拾い、インフルエンザである妥当性を高確率に判定し、診断に至る先進機器を使えばよく、溶連菌はスポットファイアでは検査できない項目ですが、喉が赤い、痛い、膿がついている、咳が少ないなどの所見があれば、IDNOWによりPCRに準じた拡散増幅検査で抗原検査よりも高い感度で診断すればよく、周りにコロナな人しかいないのであれば、同じくIDNOWで新型コロナをPCR検査で調べてしまえば良いわけです。


また、発熱者の中には、中耳炎だったり、急性副鼻腔炎だったり、細菌性肺炎だったり、腎盂腎炎などの尿路感染だったり、ウイルス性または細菌性腸炎だったり、虫垂炎や、髄膜炎だったりすることもあります。


昨今のような、ポストコロナ禍時代で、上気道感染症が反乱している時代には、さまざまな選択肢をもち、「まあ、風邪でしょう、薬出しておきますから、様子を見てください。」というだけではなく、しっかり診察をして所見を確実にひろい、所見から該当する疾患に対する検査を行って、根拠をもって診断して差し上げる、治療をする、(調べてもわからないときは様子を見ることも大事な治療戦略ですが、それについても根拠をできる限り求めた上で。)ということがクリニックに求められていると信じて、これからも診療してまいろうと思います。