
お知らせ
2025.02.08
花粉症の検査・治療
2月に入り天候も優れませんが、12月末から徐々に徐々にスギ花粉の飛散が拡大してきており、いよいよシーズン真っ只中になってきた感があります。毎年悩まれる方が多く、花粉症なのか、風邪なのか、いまいち明確でない方も含めると、もはや国民病であるとの位置付けにもなっているおります。自称花粉症の方は本当にスギ花粉アレルギーによるアレルギー性鼻炎なのでしょうか?あるいはお子さんが季節性に鼻炎症状が出るのは、本当にスギ花粉が原因なのでしょうか?やはりそこははっきりさせることが大事であると思われます。この時期の鼻炎症状にはやはり風邪が原因であることが多いと思いますが、いわゆる寒暖差アレルギーといわれる血管運動性鼻炎が原因であったり、実はスギ花粉ではなくダニアレルギーによる通年性アレルギー性鼻炎が原因であったりすることもありますし、ハンノキや白樺といった樹木の花粉のアレルギーであることもありますし、花粉症の自覚がない方が実はスギ花粉アレルギーによる季節性アレルギー性鼻炎であることもあります。それぞれによって対策も違ってきます。そして、中でもスギ花粉アレルギーによる花粉症は根本的な治療法があります。ですから、何による鼻炎なのか、を知っておくことが大事だと思います。
検査はいろいろな方法があるわけですが、血液検査が簡便です。そして多項目を一気に検査できてしまうこともメリットです。「えー!血液検査かー。わざわざ痛い思いしてけんさするのいやだなあ、たかが鼻詰まりぐらいで。」と思うのはわたしだけでしょうか?近頃は血液一滴で他項目のアレルギーが検査できてしまう検査がありまして、当院にはドロップスクリーンという指先から20μlという微量の血液で41項目のアレルゲンの検査ができてしまう機械が備えてあります。この器械による検査は3割負担で5000円程度になりますが、普通に血液検査で同じ金額を支払っても10項目程度しかできません。)これであれば、痛みはごくわずかで、原因にアプローチできますし、たとえば花粉症がある患者様の場合に花粉ー食物アレルギー症候群と言って、花粉症があるためにりんごやももなどの果物をたべると口の中や喉に違和感が生じてしまい、食べられないという病気がありますが、これについても判定が可能になります。
原因がはっきりせず思い込み花粉症の方は、今年こそ検査を一度ご検討ください。
また、スギ花粉アレルギーによる花粉症は、舌下免疫療法という治療があり、この治療により花粉症の症状を根本的に緩和できる可能性があります。つまり、舌下免疫療法を行えば、いわゆる抗ヒスタミン薬を飲まなくても花粉症の症状がなくなったり、あるいは薬の種類を減らすことができたりします。(当院でも舌下免疫療法が可能です。毎月受診が必要ですが、薬局での薬代も含めて3割負担で毎月2000-3000円程度です。)
舌下免疫療法につなげるためには、検査が必要ですから、痛みの少ないドロップスクリーンによるアレルギー検査を御検討されてはいかがでしょうか。
また、年度末・新学期前は就学時のアレルギーについてのご不安が生じやすい時期です。当院は未就学児であれ年齢を問わず小さなお子様にもドロップスクリーンができるようになりましたので、アレルギーが心配な場合は一度ご相談ください。
(ただし、症状もないのにアレルギーを粗探しする必要は、特に小さなお子さんに限っては、必要ないことですので、不必要に検査をお勧めすることは当院の本意ではございません。食べたことのないものを下手に検査して陽性だった時に本当にそれが除去すべき対象かどうかまではこの検査ではわからないので、無用な食物アレルギーの不安を掻き立ててしまうことがあるからです。)