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親御さん皆さんがわかってらっしゃることですが、やはりこわいなあと最近思いましたので、ホームページにもカキコします。
今月歯ブラシが口の中で刺さった小さなお子さんを見る機会が偶然ありました。
「親が悪い。」という方もいらっしゃるかもしれませんが、でも、子供はほんの一瞬の親のすきをつくものですから、わたしは親御さんを責めるなんてとても出来ませんでしたし、本当に気の毒に思いました。
物をくわえたまま走る子どもや飛び跳ねる子どもが転ぶと、運が悪いと、喉や口の中に刺さります!歯ブラシであんなに毛がふさふさした物でも深く刺さるんです。(わたしは歯ブラシのブラシ側でも奥まで刺さるとは知りませんでした。)
また、昔お箸か何か細長いものをくわえてふざけていた子供さんが喉に刺さり、脳内まで到達していたのが、発見が遅れて大変になったというニュースがあったのを記憶されている方もおられると思いますが、とにかく長細いものをくわえた子供は怖いんです。たいへん稀ながら、刺さりどころが悪ければ脳まで損傷していることもあります。
歯ブラシはブラシの摩擦力がつよく思いの外喉や口の奥深くまでは刺さらないのかもしれませんが、刺さった時にはブラシの影響で傷口が刃物やスムースなものが刺さる時に比べれば当然ガサガサぐちゃぐちゃになり汚くなります。使い古したブラシの間にバイ菌をたくさん含んでいますので、そのぐちゃぐちゃな傷にバイ菌が付きやすくなり、刺さった後に化膿してしまう可能性が高いのです。抗菌剤でなんとかなるケースもありますが、酷いと外科治療しないと治らないこともあるのです。
診断にも苦労します。小さい子は簡単に口を開けてくれませんから、開口器をつかったりしないと、口の中はよく見えませんし、それでも協力が得られなければ、診察は簡単ではありません。また、子供は簡単にCTやMRIは撮れませんから視触診などの一般外来での診察ではどこにどれほど刺さって何が損傷しているのか、診断も難しい。(子供はたった10秒でもじっとしていられないので、15-20分かかるMRIは元よりCTすら撮影は鎮静剤を使ったりしないと難しいのです。。。今回はエコーでたまたま外傷の具合がおおよそ確認できたのがよかったです。)
刺さりどころが悪ければ、脳に刺さって命に関わったり、喉や口の奥深くに刺さっていてあとから化膿して難治となったり、あるいは太い動脈が傷ついていたりして、あとから大出血したり、唾液の管がズタズタにされていてさし口からもれたり、、、悩ましいこと極まりない悪いことがどんなお医者さんの頭の中にもかすみます。
ですから、口に刺さる子供の怪我は慎重に診ないといけないですよね、深部に刺さった可能性が否定できなければ躊躇なくCTやMRIを撮影することを、他の医療者の協力をお願いしてでも考慮すべきですし、また、時には、仮に画像診断で大丈夫と思っても入院させて経過を見るということも、親さんにお願いしなければならない外傷だと思っております。
そして、こんな怖い怪我にならないよう親たるものは子供を守ってやらないといけません!
そんな私ですが、うちの三歳児も歯ブラシくわえてふざけますので、「歯ブラシくわえたまま走っちゃダメ!!」と大声で叱るのですが、私がなめられているからなのか、ちっとも言うことをききませんので(本当に困ってます。)ふざけて逃げる子供をとにかく素早くとっ捕まえて取り上げてます。それでも取り上げるまでに刺さるかもしれない魔の時間があったり、たまたま見ていないところで不幸が起こり得ますから、本当に怖いですよね。
子供が歯ブラシなどの細長いものを咥えたまま動くことは決してさせないよう私も含めて我々親はとにかくとにかく気をつけましょう。
もし刺さったら、出来れば刺さったものを抜かずに救急車で救急病院に駆け込むか、抜けちゃったらその刺さったものを必ず携えて、救急病院に駆け込むか、あるいは子供さんが落ち着いていれば取り敢えず当院にお越しください。
皆様気をつけましょう。
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まついファミリクリニック
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