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2021/03/04
国際HPV啓発デー

3月4日は国際HPV啓発デーだそうです。きょう知りました。

ヒトパピローマウイルス(HPV)はみなさんご存じの通り、子宮頸がんを発症する原因ウイルスです。世界中でHPVワクチンが接種され子宮頸がんの予防が率先して行われていますが、残念ながら日本では接種率が0.3%(2019年)に落ちています。

子宮頸がんは20−40歳代の女性が罹患する悪性腫瘍で年間1.1万人程度の女性が子宮頸がんになり、2800人ほどの女性が亡くなるとされています(厚生省hpより)

子どもをこれから生んで育てようとする家庭や母親自身を直撃する恐ろしい病気であるといえます。仮にがんで命を落とさなかったとしても、がんの状況によっては子供を授かることが困難となります。

こんなに恐ろしい病気の根絶がHPVワクチンの接種により解消されるといいます。

HPV ワクチンを導入して、接種率を 9 価 HPV ワクチンで 80%以上として、生涯 2 回の子宮頸がん検診を 70%以上の女性が受ければ、先進国は 2060 年頃までに、開発途上国も今世紀中には子宮頸癌が排除(症例数が人口 10 万あたり 4 人以下になることを言う)できる可能性があるそうです。(産婦人科学会のhpより)

WHO が介入することでルワンダやブータンなどの開発途上国も HPV ワクチンは現在 9 割を超える接種率となっているそうです。日本は1%にも満たない状況。。。これはかなり深刻だと思いませんか?

将来日本にだけ子宮頸がんがのさばる、そんなことがないように、みんなが子宮頸がんワクチンをきっちりと接種することが重要であると思います!!

現在2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)が中学1年生から高校1年生に相当する年齢の女子に対して公費負担で接種ができます。

HPVワクチンは、3回の接種が必要です。

サーバリックスは、1回目の接種を行った1か月後に2回目を、6か月後に3回目の接種を行います。
ガーダシルは、1回目の接種を行った2か月後に2回目を、6か月後に3回目の接種を行います。

副反応についてみなさん心配されますが、様々な調査結果によれば、子宮頸がんワクチンとの因果関係は乏しいと結論されています。

産婦人科学会のホームページに以下のような記載があります。

「WHO は最近、ワクチン接種ストレス関連反応(ISRR:Immunization stress-relatedresponse )という概念を提唱しています。接種前・接種時・接種直後に見られる急性反応としての頻脈・息切れ・口喝・手足のしびれや、めまい・過換気・失神等、そして、接種後の遅発性反応としての脱力・麻痺・異常な動き・不規則な歩行、言語障害等の解離性神経症状的反応などが含まれています 29。ワクチン接種後は、ワクチンが直接の原因ではない症状も含む好ましくない事象(有害事象)とワクチンの接種に伴う免疫の付与以外の反応(副反応)を区別して評価することが重要です。本邦においては、厚生労働省祖父江班による「多様な症状」に関する全国疫学調査にて、多様な症状」が HPV ワクチンを接種していない女子にも認められることが明らかとなり 、また、Nagoya Study においては、「多様な症状」が非接種者に比して接種者に多く見られるわけではないことも示されています 。すなわち、HPV ワクチンの成分自体と「多様な症状」の因果関係は証明されていません。しかし、ある種の生物学的要因、生育環境、生活体験等の背景因子を有するケースにおいては、HPV ワクチンの接種による局所の疼痛が破局的思考につながり、機能性身体症状が出現する可能性が示されています。」

では危険な事象とはどんなことかといえば、全くないとは言えませんが、アナフィラキシーなどはほかの予防接種でも起こりえることですし、子宮頸がんワクチンだから起きるのだとHPVワクチンを特殊扱いする必要はありません。

それ以外に恐ろしい副反応として急性散在性脳脊髄炎(頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気)、複合性局所疼痛症候群(外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気)がありますが、急性散在性脳脊髄炎は430万回に1回、複合性局所疼痛症候群は860万回に1回のきわめて低い確率でしか起こりませんし、(厚生労働省hpより)本当にHPVが原因かわからないのです。

リスクを警戒して子宮頸がんで絶命するのはナンセンスと言わざるを得ません。

子宮頸がんワクチンは必ず接種しましょう!!  (子宮頚がん検診も受けましょう。ワクチンで大部分が防げますが、100%予防はできないので。)

最近9価の子宮頸がんワクチンが接種可能となりました。9価というのは9種類の亜種をカバーするというものです。もちろん2価や4価でもとりわけリスクの高いヒトパピローマウイルスの感染を予防できますので効果は高いですが、2価や4価に比べて大差があるわけではありませんが、より一層効果が見込めます。

ただし、日本での接種が2月24日から可能となったばかりですので、副反応についてどうなのかというところが不安ではありますが、海外ではもっと前から不通に接種されていますし、今までの日本人での試験的な調査や世界での経験では全く問題はないとされています。

よろしければ9価ワクチン(シルガード9)もお考え下さい。ただし、公費が効かないため実費での接種になり補助は効きませんので、1回30000円程度で3回接種が必要ですので9万円程度になります。

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