お知らせ

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2020.04.14
予防接種の説明内容についての追記

予防接種に関しましての記載事項が不十分な箇所がございまして、ご迷惑をおかけ致しております。以下にそれぞれのワクチンで予防できる疾患の説明について追加でご案内すべき内容を記しますので、ご参考になれば幸いです。

B型肝炎ワクチン
B型肝炎は、B型肝炎抗原の血液の輸血や過去の予防接種や入れ墨などが原因で感染するウイルス性疾患です。性感染症としても有名です。医療者が針刺し事故などで感染することも否定できず、懸念される疾患です。感染すると劇症型の急性肝炎致死的に、または、慢性肝炎として緩徐に進み、症状がないまま肝硬変や肝細胞癌により致命的となることがあります。
*生後2ヶ月から生後11ヶ月までに接種します。
*1回目接種終了後、2回目は4週間後に接種します。3回目は1回目接種から140日後に接種します。

日本脳炎ワクチン
蚊が日本脳炎ウイルスを媒介して感染、発病します。日本脳炎致命的となったり、重い脳障害を残したりすることがあるため接種すべきワクチンです。
*3歳から7歳までに第1期(3回)の接種をします。第2期は9歳0ヶ月から9歳11ヶ月までに接種します。
*第1期2回目は1回目接種の1~4週後に、1期追加は1年後に、2期は小学4年生で接種します。

ロタウイルスワクチン
ロタウイルスは乳幼児に起こる感染性胃腸炎の原因となるウイルスの一つです。ロタウイルスには多くの種類があり、5歳ごろまでに少なくとも1回は感染すると言われており、生後6ヶ月から2歳までの乳幼児は特に重症化しやすいため注意が必要です。経口的に接種するワクチンで任意接種となるため費用がかかりますが、可能な限り接種すべきワクチンであると考えます。
*初回接種は生後14週6日までに行います。
*ワクチンの製品別により接種回数が異なります。予防効果に差はありません。
*2回接種ワクチンは生後6週から24週までに初回接種し、2回目を4週後に接種します。
*3回接種ワクチンは生後6週から24週までに初回接種し、2回目を4週後、3回目はさらに4週後に接種します。

BCGワクチン
結核の予防ワクチンです。結核菌による感染症で肺結核が有名ですが、肺外結核として腸や脊椎などにも感染することがあります。厚生労働省の報告では日本では平成30年に15,590人が結核に感染し、2,204人が亡くなっています。乳幼児が結核に感染すると、粟粒結核(多量の結核菌が短期間にあるいは繰り返し血流に入り全身に散布性病巣が形成される病態)や結核性髄膜炎となり重い後遺症を残すこともあります。
*生後3ヶ月から11ヶ月までに接種します。

Hibワクチン

Hib感染症は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌によって発生する病気で、インフルエンザウイルスとは違います。主に気道の分泌物により感染を起こしますが、症状がないまま保菌して日常生活を送っている子どもも多くいます。しかし、Hibにより、肺炎、髄膜炎、化膿性の関節炎などを起こした者のうち3~6%が亡くなってしまうともいわれています。また、急性喉頭蓋炎の原因の大半をHibが占めるとされ、致命的な窒息や低酸素脳症を引き起こします。特に髄膜炎の場合は、致死的なリスクもさることながら、生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すともいわれています。ワクチン接種により、Hibが血液や髄液から検出されるような重篤なHib感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。

インフルエンザワクチン

インフルエンザは新型コロナウイルス感染症の陰に隠れて存在感が薄らいでいますが、特に小児では脳炎が問題となり、高齢者では肺炎による重篤化が問題となる疾患で、高齢者では致死的となり得ます。厚労省の研究によれば1997-2000の3年間でワクチン接種により65歳以上お高齢者の発病リスクを34-55%,死亡リスクを82%軽減できたとされています。ワクチンを打っても効かないという人もいますが、重症化リスクを下げる意味でも接種すべきワクチンです。毎年流行を予測して作られますので毎年接種が望ましいです。

肺炎球菌ワクチン

小児における肺炎球菌ワクチンの意義は髄膜炎などの重篤な病態を予防することです。小さい子供ほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。髄膜炎をきたした場合には2%が致死的となり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。2006年に生方らは小児の侵襲性感染の62%は1歳以下であり、敗血症や肺炎、髄膜炎を生じていると報告しており、0歳児でのリスクは高いとされていますので、早く接種することが重要です。一方50歳以上でもリスクがあり、小児に比して致命的となりやすく、2割の方は急激な経過をたどると報告されているため、高齢者においても(特に基礎疾患がある方)予防接種を受けていただくべきです。

  • 小児では1期初回は生後2ヶ月から開始します。2回目は4週後、3回目はさらに4週後に接種します。追加接種は1歳の誕生日が過ぎてから接種できます。
  • 大人の場合は65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳が公費助成対象で5年おきに接種します。

四種混合ワクチン

ジフテリア:ジフテリア菌の感染によって主に上気道粘膜が犯される疾患です。現在予防接種により患者は激減していますが、発症すると増殖した菌から産生された毒素により昏睡や心筋炎などの全身症状が起こると致命率は平均5~10%で死亡するリスクがある感染症です。

破傷風:破傷風菌は土壌中に広く常在し、怪我した部分から体内に侵入し、増殖して破傷風毒素をにより強直性痙攣を来します。は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3 ~21 日)の後に局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に 移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。

百日ぜき:百日ぜき菌は感染力が強く感染1−2週間後からせき込みが起こり、通常はそれに続いて、息を深く吸い込む際に長く高い音(笛声)が出るという一連のせき発作を起こします。肺炎や脳炎へ発展することもあります。

ポリオ:ポリオウイルスによる麻痺を主訴とする感染症です。口から入ったポリオウイルスは感染しても発病しないことが多いですが、中には脊髄へ入り重篤な麻痺が後遺症として残ることがある怖い病気です。

麻疹ウイルスワクチン

麻疹は、いわゆる「はしか」のことです。麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染により感染し、その感染力は強力です。10~12日間の潜伏期の後、高熱を発症し、一旦解熱後、再び全身の発疹とともに発熱を認めます。麻疹肺炎・麻疹脳炎はともに二大死亡原因といわれ、罹患後平均7-10年の期間を経て発症する亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis: SSPE)という重篤な合併症もあります。2回のワクチン接種により、ほとんどの人が予防が可能です。

風疹ワクチン

風疹は「三日ばしか」とも言われていますが、はしかとは全く違う病気です。2−3週間の潜伏期間ののち高熱と全身の癒合しない赤い発疹が同時におこるのが特徴です。発疹の出る前に耳の後ろのリンパ腺が腫れたり、結膜炎を起こしたり、咽頭扁桃炎を起こします。名前の通り3日ほどで熱も下がり、発疹も消えてしまいます。まれにですが血小板減少性紫斑病や脳炎などを引き起こすことがあります。大人がかかると重症化すると言われています。また妊娠中のお母さんがかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群いう病気にかかり心臓や聴力や視力、脳に奇形を生ずる可能性があります。お子様はもちろんのこと、抗体がないお父さんやお母さんも予防接種を受ける必要があります。なお、妊娠中のワクチン接種は赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性があり禁忌であり、妊娠希望の女性はワクチン接種後2ヶ月は避妊することが望ましいとされています。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜは「流行性耳下腺炎」という病気です。発熱と唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)の腫脹・疼痛を伴う病気で、一般にはまず片側が腫脹し、数日して反対側が腫脹します。ピークは発症1~3日で、3~7日で治癒します。無菌性髄膜炎・難聴・脳炎・膵炎・精巣炎・卵巣炎などの重い合併症をきたすことがあるため予防接種を受けましょう。

水痘ワクチン

水ぼうそうは全身に痒みの強い水疱を伴う発疹と高熱が特徴の病気で、ヘルペスウイルスの一種(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因です。飛沫感染や空気感染、接触感染で感染し、感染力は強力です。お子様は接種すべきワクチンです。また、過去に水ぼうそうになった人は免疫力が低下すると「帯状疱疹」という片側性の主に体幹に支配神経に沿うように痛みを伴う発心ができることがあり、50歳を過ぎると帯状疱疹ワクチンを接種した方が良いと言われています。

★コロナウイルスの大流行が予防接種の妨げとなっていますが、風邪を始め感染症が疑われる患者さんとは待合や接種場所を別室で対応させていただいたり、あるいは時間のお約束をして、可能な限り不利益を被ることがないよう、配慮に努めておりますので、お悩みの際はまずはお電話でご相談ください。

★BCGワクチンについてですがコロナウイルスに効果があるとのことで一部で不必要な接種がなされているためワクチンの不足が現在問題となっております。できる限り対応できるように努めますが、昨今の事情によりご迷惑をおかけする可能性がございます、ご了承ください。

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まついファミリクリニック
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