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4月以降⒋-5-6-7月と溶連菌の患者さんがお子様中心に多いです。もちろんインフルエンザやコロナが目立たなくなって、溶連菌が逆に目立つ結果なのかもしれません。溶連菌は「子どもの病気」というイメージが強いかもしれませんが、実は大人にも普通に感染し、家族内でうつし合ってしまうケースも少なくありません。
溶連菌はウイルスではなくA群溶結性連鎖球菌と呼ばれる「細菌」による感染症です。主に扁桃や咽頭に症状をきたしやすいので、のどの診察の時に、のどが赤い(“燃えるような”といわれる赤色を呈することも)、扁桃腺に海がついて腫れている、これらを認める場合、溶連菌じゃないの?と疑っています。また、普通の風邪と違って咳があまり目立たない、鼻水は目立たない、頭が痛いとかおなかが痛いなど風邪症状もないのに熱以外の症状として腹痛や頭痛があるなど、普通の風邪とは違った妙な症状をきたす場合は溶連菌は大丈夫か?と疑います。また、目が赤くなったり、口の中・のどや唇が真っ赤になったり、まるでイチゴのような赤い舌ベロになったりすることがありますし、ひどいと全身に赤い発赤が出現することがあります。(溶連菌の毒素によるものです)
「modified CENTORスコア」という世界的な臨床指標(診断の目安)があります。これはもともとあった1981年にCentorが作ったCENTORスコアという年齢以外の項目による評価スケールに年齢条項を加えたものです。
これは、以下の症状や年齢に合わせて点数を計算するものです。
- 38℃以上の発熱がある(+1点)
- 咳(せき)がない(+1点)
- 首のリンパ節(あごの下あたり)が腫れて痛む(+1点)
- のどの奥(扁桃)が赤く腫れ、白い膿(うに)が付着している(+1点)
- 【年齢による調整】3〜14歳は「+1点」、45歳以上は「-1点」
このスコアは皆様でも多少参考にしていただくことができるのではないかと思います。
スコアと溶連菌陽性率の関係: 0点 8% 1点 14% 2点 23% 3点 37% 4点 55%
Arch Intern Med. 2012 Jun 11;172(11):847-52.
診察時に診察所見や必要によりmodified Centorスコアを参考にして、溶連菌が強く疑われる場合は、のどの奥を綿棒でぬぐう「迅速抗原検査」を行います。結果は10分ほどで分かります。 当院ではより正確を期すため15歳未満の方には、14歳以下の患者様にのみ保険適応があるPCR検査(NEAR法)による溶連菌検査を実施しています。抗原検査よりは感度が高いので見逃しが少ないです。
陽性と診断された場合は、原因菌を退治するために「抗生剤(抗菌薬)」を処方します。一般的にペニシリン系の抗生剤を10日間内服することが推奨されていますが、アレルギーがある場合はマクロライド系やセフェム系の薬を選択します。適切な抗生剤を飲み始めると、通常は24時間ぐらいには熱が下がり、のどの痛みも治ってきます。 感染が重い方の場合は、薬を内服後に皮膚症状などが一時的に悪化することがあり。薬が効いてないんじゃないの?と心配になる場合もありますが、それは、溶連菌が抗生剤で死んだあとに細菌内部から血中に放出される毒素によって一時期症状が悪化し強く出る場合もありますが、間もなく改善に向かいます。
普通風邪ですと、風邪が治ると薬をやめてしまう患者さんもいらっしゃると思いますが、溶連菌感染症の場合は「症状が消えても、処方された抗生剤は絶対に途中でやめず、指示された期間(通常10日間前後)必ず最後まで飲み切る」ということが必要なのです。
症状が良くなっても、のどの奥にはまだ菌が生き残っています。自己判断で服用を途中でやめてしまうと、完全に除菌できずに再発したり、数週間後に「急性糸球体腎炎(血尿やむくみが出る病気)」や「リウマチ熱」といった深刻な合併症を引き起こしたりするリスクが高まりますので、必ず飲み切りましょう。お子様でどうしても抗生剤を飲めない場合は、薬の種類を変えるなどの工夫をすれば飲めるようになることもありますので、そうした場合は是非ご相談ください。(リウマチ熱は罹患者が極めて少ないといわれていますが腎炎は100人ぐらいに一人ぐらいかそれ以下の確率だといわれていますので、ご希望の方には腎炎については感染して10日後ぐらいと1か月後ぐらいに尿検査を実施しています。その際、尿検査と同時に診察させていただくことで溶連菌に合併用の有無を確認しています。)
溶連菌は主に飛沫感染と接触感染により広がります。抗生剤を正しく服用し始めてから24時間が経過し、熱が下がっていれば、周囲への感染力はほぼなくなるとされています。学校保健安全法でも「抗菌薬開始後24時間経過」が登園・登校の基準となっています。ご家庭内でもコップやタオルの共有は避け、手洗いをがんばりましょう。
溶連菌は適切な治療を行えば、治る病気です。しかし、不適切な対応をしていると、思わぬしっぺ返しを食らったり、長引いたり、周囲に感染を広げたりしてしまうこともあります。いつもと違うとか、心配な時は、ぜひ躊躇なく受診ください。

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